寺子屋訪問スタディーツアー体験記(第30回 2006年春季)

    「これから私がするべきこと」      矢野 恵美(国際基督教大学1年)

  バングラデシュでの7日間、自分が生き生きしていた。よく笑い、よく歌った。泣き虫の私はバングラデシュで更によく泣いた。それは嬉しいときもショックなときもあったが、とにかく感情が強く自分に押し寄せ、頭で考えるだけでは処理できない体験がいくつもあった。「それがこのスタディツアーの狙いです」と船戸先生はにこにこしておっしゃった。
 準備会のとき、「"知る"ということは"愛する"ことを究極とする」という話をきいたが、バングラから帰りこれを自分なりに解釈することができた。"知る"という行為を考えるとき、3つのプロセスがあると考えられる。1つ目は"頭で知る"、つまり知識として何かを知るということ。2つ目は"心で知る"、つまり感情・感覚を伴って何かを知るということ。「バングラの子どもは目がきらきらしている」とか「スラムとはこういうもの」と、知識として知っていたものが、実際に子どもたちと接したとき、またスラムに行ったとき、強い感情とともに自分の中に残った。心で知るということは、その知識が自分のものになっていくということ、とも言える。ただの知識・問題だったことが、自分のこととして私にふりかかってきた。ここで3つ目のプロセスは"体で知る"つまり"知ったことを実践する"ことである。いくら知識が自分のものになってもそれを行動にうつしていけなければ意味がない。自分のものになった知識を他者のために還元していけることが、「"知る"="愛する"」なのではないだろうか。
 「知る」ということがいかにパワーを持ち、「教育」がいかに人間の可能性を広げる可能性をもっているか、それを自分のこととして知った今、私がまず実践するべきことは勉強である。バングラでの感情をもとに勉強に励み、その感情(疑問)の原因を学問的に追究したいと思う。"実践"は難しく常に課題であるが、ベストを尽くしたい。
  温かい人たち、大自然に囲まれて幸せだった。そして神さまが共にいてくださるということを素直に感じられる日々でもあった。自分が何を感じ、自分はこれから何をするのか、常に自分とむきあえたのは「あなたはどう思うか」「あなたは何をするのか」という神さまの問いかけ、「人を生かしてくださる」神さまの存在があったからだと思う。このスタディツアーに参加したのは20代をどう生きるべきかという問いのためだったが、神さまは「勉強」という具体的な課題と、もう1つ大きな答えをくださった。よく歌って大好きになった歌の歌詞、"Seek Ye First the Kingdom of God and His Righteousness"である。神さまの視点で本当に大切なことは何かということを問い続け、「人を生かす」人を目指していきたい。最後に、スタディツアーに参加させてくれた両親、ACEFとBDPの皆さん、神さまに感謝して終わりにします。