アルバート・マラカール氏

これからのBDPは・・・

BDP総責任者アルバート・マラカール氏に
お話を伺いました。


BDP教育活動において何に重点をおかれていますか?

 

 過去十年間、BDPは、その教育活動において質的向上を求めてまいりました。そして、わたしたちは教育の質的向上とともに、バングラデシュにおける初等教育においては、
(1)地域におけるニーズに対応すること 
(2)地域住民の積極的な参与が必要不可欠な要素である
と確信しています。

 

初等教育の中で気をつけている点はどんなことでしょうか?

 

 第一に、初等教育は、子どもたちに興味を抱かせるものでなくてはなりません。
 第二に、教えるテーマは、出来るだけ具体的であり、彼らの生活に密着し、生活の中で学べるものでありたいです。
 特に、第三世界の低所得階級において育てられた子どもたちは、彼らの生活の中に通常の生活必需品すらなく、ごく限られた具体的な道具しかありません。ですから、抽象的なことを言っても、彼らには理解できないのです。

 

BDPではどんな工夫をしているのでしょうか?

 

(1)学ぶもの(生徒)が参加をしながら、その中で学んでいくという方法を採用しています。
 (多くは具体的な教材を用いたゲームなど)
(2)ある場合には父母もそこに参加します。ある学校では、新しい試みとして「理数科クラブ」というクラブを作り、父母や地域の方々も参加する定期的な勉強会を開いています。


具体的にこんな授業をしたいというアイデアはありますか?

 

 一つの例としては、他の教材とともに、各学校に「聴診器」と「時計」を配布したいと考えています。これを用いると、算数と保健衛生の勉強が同時に出来ます。生徒は聴診器と時計を持ち、各々の「鼓動」を計ります。次に、短距離を駆けあしした後の鼓動を計り、その差を比べるのです。そうすれば、それがどのように違うかが分かり、同時に算数の勉強にもなります。このような方式を採れば、子どもたちは算数や保健体育の勉強をしているのだと特に意識せずに、楽しみながら勉強することが出来るのです。
 
 もう一つの例としては次のようなものがあります。父母参観日に、子どもたちが、下痢治療の際に用いる「経口補水液」を作って父母にデモンストレーションします。すると、父母(地域住民のほとんどは教育を受けたことのない人々)は、自分たちの子どもが、すばらしいことを学んでいることに気付き、驚くと同時に、彼らも「経口補水液」の作り方を学ぶことが出来るのです。

「経口補水液」のつくり方
塩を3本の指でひとつまみ(小さじ1/4)と
砂糖を一握り(小さじ4杯)を、
マグ1杯(500cc)の水に入れ
よくかき混ぜる。
下痢のとき、高熱のときなどに、
水分を補給するために用いる。

実際に「経口補水液」を先生と一緒につくり、
みんなで試飲している様子

バングラデシュの公立学校の授業に比べたら、画期的なことですね!
教室で教科書だけの勉強では、学習意欲を持続させるのは困難ですからね。

 

 最近、BDPは、日本政府の「草の根無償資金協力」の援助を受けることが出来、このような教材を整えることが出来るようになりました。(ただし、聴診器は許可されませんでしたので、この分はACEFからの資金でまかないました。)
 今年度の「草の根無償」は、ミルプール地区とプーバイル地区しか対象となりませんでしたが、いずれジャマルプール、ネトロコナ、ボリシャル地区においても対象となることを願っています。

 

北部のネトロコナ地区は二年目を迎えて子どもたちは元気に学んでいるでしょうか?

 

 ネトロコナ地区において、BDPは、県衛生局に「予防接種、ビタミンA、寄生虫駆除」を要請し、当局は積極的に対応してくれました。

 

今年から始まったコンピュータークラスも順調でしょうか?

 

 今年2月より14名で始まったコンピュータクラスは、7月から、学生22名(女性12名・男性10名)で再スタートしました。ごく最近、スウェーデン大使館より7台の中古コンピューターが寄贈され、BDPは、プーバイルにおけるコンピュータークラスを拡大しました。



 常に地域のニーズを考え、また、子どもたちの学習意欲をそそる工夫をいろいろ考えているのは、すばらしいことです。
 行政の手の届かないスラム地区の子どもたちに、あるいは貧しい村の子どもたちに、少数民族の村の子どもたちに、・・・そして、新しい国づくりに貢献できるように、女性も社会進出できる機会を与えようとするBDPの姿勢をこれからも応援したいと思います。